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 《空手バカ一代・・・熱闘編1》

Vol.34 2001/12/13

もう早いもので今年も残り一ヶ月弱。
ウヒョ〜〜〜ッ!はえ〜な一年経つの。
小学生の時なんかはもう少し一年が長く感じられたはずなんだがな〜。 ひょっとして1年265日くらいになってねえか? 最近。
なんてこと言っても仕方ないので改めて今年一年を振り返ってみるとあれだよな、いろいろありすぎてたまげるよ。 特にネット関係ではいろんな出会いも、いろんな経験もしたけどやっぱ今年のナンバーワンは極真会館入会でしょう。
34歳の格闘技初心者のオヤジが極真会館の門を叩いてはや半年。
それはのっぴきならないダイエットの必要性からきた、いわばケンカ空手・極真会館 から言えばやや本流から外れた入門であったけど、俺の性格にまさにピッタリマッチ。
もう毎週欠かさず出席で、空手の実力はともかくダイエットの方は全盛期93.8キ ロあった体重が今では88.6キロ!5.2キロの激ヤセ成功!! って93キロが88キロになって激ヤセか?
少なくとも鏡に映る自分を見るとまだぜんっぜん激太り。あと50キロぐらい痩せてやっと標準体型になるんじゃないかと思うくらい。
それでも一応、ベルト穴は2つ分くらいきつく締める事ができるようになったので少 しは結果が出てる感じ。 この調子この調子。
ではもう少し詳しく、この半年極真会館で何があったのかお話しましょう。

時計は半年前、6月に戻ります。 初めての練習の日はとにかく暑かった。
そもそもエグザスにある極真会館の道場は決定的に狭すぎる。 エアコンの吹き出し口はあるけど、やわらぎ〜〜って感じのそよ風が出てるだけで気温は上がるばかり。 もう立ってるだけでダイエットできそう。
まず最初のケイコに入る前に先生から基本的な礼儀のレクチャーを受けた。
「道場に入るときは荷物を足元において『オッス、お願いします』です」
なるほど、道場に入ってくる生徒さん達は、皆さん腕で十字を切って「オッス、お願 いします」だ。 もうこれ見てるだけで極真の香りがプンプンだよな。
「あと足を崩す時は正面に手をついて礼をして『オッス、失礼します』です」
ひょ〜〜正座した足を崩すだけでも「オッス、失礼します」ですか。なんか精神修行度高そ〜。
ちなみにオレが極真で最初に覚えたのが足を崩す時の「オッス、失礼します」。このあたりでもオレの根性ナシ加減がわかるよな。
それはともかく、いよいよ礼儀のレクチャーも終わって練習開始。
まずは全員並んで正座、そして先生の「黙想!」の合図で目を閉じて背筋を伸ばして気持ちを静める。
これだよ。こんな落ち着いた精神修行がやりたかったんだよオレは。 日常生活で黙想すること無いもんな、実際の話。
黙想が終わったら体操で体を暖めて柔らかくする。
・・・って長いな、体操。 体操と柔軟、それと基本的な突きや蹴りの練習で30分だよ。でも実際は柔軟しないと 怪我をする確率がメチャクチャ高いのでゆっくりやるべき。
何しろ、昔素人でバスケットやってた時には、ろくずっぽ柔軟しないで練習してたもんだから怪我人続出。 靭帯切った人からあごの骨が折れた人まで様々でまさにキラーバスケット。
それに比べると実は極真会館で空手やってるほうが怪我が少ない。
なんか意外な感じしない?バスケットより空手のほうが怪我しないのって。
それもこれも空手は充分な柔軟(なにしろ30分だ)をするから。よく考えてるよな、極真会館って。
でも柔軟だって運動としてもバカにならない。 うだるような暑さも手伝って柔軟終わったらもう汗びっしょり。「3キロぐらい痩せてねえか?」ってくらい。これならダイエット効果バッチシだ。
「精神修行」「ダイエット効果」がバッチシときたらあと必要なのは「強くなる」こ とだろう。
休憩をはさんでいよいよミットを使ったミット打ちの練習開始。
要するに1分間ミットを突いたり蹴ったりするわけだけど、なんて長いんだ1分! 普段あんまし感じないけど1分間ミットを蹴りつづけるのは信じられないくらいつらい。
信じられないと言えばとなりで組んでる黒帯さんのお2人。 ミット打ちは黒帯は黒帯同士、白帯は白帯同士と組んでやるんだけど白帯はミットに 思いっきり蹴り込んでも「ボスッ」って感じで鈍い音しか出ない。どんなに力任せに 蹴り込んでも「ボフッ」 でも黒帯さんはなんか力抜いて蹴ってるように見えるんだけど「スパ〜〜ン!」と良い音すんの。 不思議なんだよな〜。
「足の甲になんか音でるもんつけてんじゃないのか、ブーブー クッションみたいな。」と思えるくらい。 黒帯さんがミット蹴るたびに「ブ〜〜〜〜。」、つけてるわけねえだろっ!
いい具合に疲れてきたところで問題の「ライトスパー」の開始だ。
ボディーコンバットでは味わえない実践空手の醍醐味、それが「ライトスパー」。 要するに「怪我をしない程度にドツキあってください」ってことだから、特に初体験の オレとしてはしびれるくらい気が引き締まる。
「お互い礼!」
「オッス!お願いします」
「構えて!始め!」
始まったよ、ライトスパー。
でもあれだ。白帯同士だと思ってたほどプレッシャーはない。 って言うかお互いなかなか手が出せないでじりじり見つめあってる時間が長い。
でも意を決してローキックを出してみると・・・。
「ボスッ!」
当たった! これは面白い。ゲーセンで「バーチャファイター」や「鉄拳」やってるよりも1万倍は面白い。 もう面白さのレベルがぜんぜん違う。ローキック一発でもう病み付きだ。
続けて突き、蹴りを出してみると・・・。
これが案外攻めることができる。 オレってひょっとして空手のセンスがあるんじゃないのか? と一瞬頭をよぎったがそんなはずはない。自分のレベルは自分が一番よくわかる。
そこでオレははたと気付いた。
「オレ、練習すればするほど弱くなるんじゃないのか?」      

以下次号

(もと店長 ケンゾウ)

 

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