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 《カメラって高いのね・・・中編》

Vol.31 2001/10/27

 

プロカメラマンI師範からお借りしたローテクカメラ(しかも重量は1.6キロ)ニコンF−3を手にオレはバリ島へ向かうことになった。
今回の買い付けには当店のプロモーション担当の森安さんも同伴でどんな提案をしてくれるのかちょっと楽しみだったりする。
その森安さんが、なんと銀塩一眼レフ(デジタル一眼レフの話はしないので、これか らは『銀塩』は省略します)を持ってきているじゃないか。 訊けば数年前から一眼レフを使って自分の作品なんか撮っているらしい。オレの先輩 じゃん。
「あ、阿部さん凄いカメラ持ってますね。」
森安さん待ち合わせ場所で会うとすかさずチェックしてくれたのですが、見た目もゴツくて凄いけど重量も凄いんです。

肩にカメラをめり込ませながら何とかバリに到着。 翌日からいよいよ買い付け、ア〜〜ンド撮影スタートだ。 でもその前に旅の疲れをマッサージで癒さなきゃな、バリはこれがなきゃ始まらないよ。
向かうのはバリでは珍しくオイルを使わないマッサージの「ロータスクラブ」、つぼマッサージがたまらなく気持ちいい。 バリはとにかくマッサージ(スパ)が多くってマッサージ大好き男のオレにはまさに パラダイス。下はビーチのマッサージおばちゃんの30,000ルピア(約400円)マッサージ から上は高級ホテルの250ドルマッサージとまさにピンキリ。
個人的な感想を言えば、マッサージの内容は高いところも安いところもそんなに大差がない。 どっちもオイルをたっぷり塗ってギュ〜〜〜ッと絞るようにマッサージ、なんともイタ気持ち良い。
では高い店と安い店で違うのは何か?
ズバリ言って雰囲気、ロケーションだ。 ピタマハのマッサージはチャンプアン川に張り出したロケーションが(と言うほど本 当はチャンプアン川が見下ろせるわけではないが)素晴らしくって、さらにかなりデッカイプールと温水のプールとジャグジー、それにフラワーバスとエアコンが効いたお部屋が貸切。
これって凄くない? これなら少しぐらい高くってもオレ納得しちゃうよ。
ロータスクラブはこじんまりした店内だけど清潔でリラックスできる雰囲気作りが上手い。 足ツボマッサージとボディーマッサージを満喫して森安さんも大満足だ。
「こんなに落ち着いてマッサージを受けれるなんて・・最高に贅沢ですよね」
そうなんです。
では疲れも落ちたし、明日からのハードな仕事に向けて今日はゆっくり寝ましょう。

あけて翌日。
いよいよ買い付けなんだけど、今回は買い付けについて書くんじゃなくってカメラについて書く。
レギャンで車に乗っているときにお互いのカメラを見せ合った。
森安さんのカメラはペンタックスのMZ−10って機種だ。 持って驚くのはとにかく軽い。F−3の半分も重さがない、絶対。 それから操作系の感触の軽い。ズームをあわせてもシャッターを切ってもスッスッと かる〜〜く動く。
で、ファインダーを覗いてみた。 ????? 気のせいかな・・。もう一度覗いてみよう。 ?????
何だ?F−3のファインダーから見る景色とMD−10から見る景色が違う。 ちょっと違うんじゃない、全然違う。誰が見ても違う。 森安さんにも見比べてもらったら 「これはどうしたんでしょうね、全然見え方が違いますね。」 と同じような感想。
何だか狐につままれたような、半信半疑のまま買い付けを無事こなして今回の仕入れは終了。
お互いのカメラを見せ合ったことも忘れて日本に帰国。

そして何日か経ってお互いの写真を見せ合った。

↑ニコンF-3 ↑ペンタックスMD−10
↑ニコンF-3 ↑ペンタックスMD−10


違う。なんだか違う気がする。 背景のボケ方が違うし被写体の臨場感も違う。
「ファインダーから見た違いがそのまま写真にも違いになってますね。」
森安さんも同じ感想を持ったみたいだ。 MD−10で撮った写真もキッチリ写っている、でもこれだとデジカメで撮った写真と同じだ。 一眼で手間をかけて撮ってる意味がない。

こんな時にはI師範に相談だ。 さっそくご自宅にお邪魔して質問してみた。
「師範。同じ一眼レフカメラで写真を撮ったんですけど出来あがった物がまるで違う ように感じます。 これはどうしてなんでしょうか?」
「阿部さん、そりゃあそうですよ。 簡単に説明しましょうか。」

(以下次号)

(もと店長 ケンゾウ)

 

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