《カメラって高いのね・・・前編》

Vol.30 2001/10/24

 

時々お客様から「漂流貿易って写真がきれいですよね。」といわれることがあります。
ク〜〜〜〜ッ!!嬉しいです!そう言われるのって。
恥ずかしながら写真にだけはチョットだけこだわってたりする。 だから写真を評価されるとメチャ嬉しいんです。

最初にホームページを立ちあげたときにはデジカメの「ニコンクールピクス950」を使っていたんだけど、じつはある時期から漂流貿易の写真は全部銀塩一眼レフ(昔 ながらのフィルムを使うやつ)で撮ってます。 しかも設計は20年前のクラシックカメラ、「ニコン F−3」で。
アドバイスしてくれたのは妻の友人でプロカメラマンのI師範。カメラでは頼れる大先輩だ。
そのIさんが昔の当店の写真を見て一言。
「まぁホームページにしてはよくできてますね。」
う〜〜〜む、「ホームページにしては」ってところがミソやね、つまり自分の基準では全然失格ということか・・・、そりゃプロから見ればそうだろうな。
でもそう言われたら「プロでも納得できる写真はどうやったら撮れるんじゃい」って思うじゃん。
なんかオレ、負けずなのよ。
すると。
「デジカメじゃムリでしょう。」
短いながらも胸を抉るようなアドバイス、そう言われたらグウの音も出ない。
でもホントにそうなのか? だって「特選街」とか読んだら「デジカメは銀塩を超えた」とか「プロカメラマンも最近は主にデジカメを使っている」とか書いてんじゃん。
車エンスーとかでもそうだけどさ、昔のものは何でも「味がある」とか言って美化する人いるけど何だか眉唾なんだよね。 「このスミスの機械式メーターの動きがたまらない」ってピコピコ動いて見にくいだ けじゃんみたいな。
でも小心者のオレは「ホントにそんなに違うんですか〜?」なんてデンジャラスなこ とは聞けない。
「そ、そんなに写りが違うものなんですかね。」とソフトに抵抗してみたら・・・
「そしたら僕の使ってるF−3を貸しますから撮り比べてみてください、気に入った ら銀塩一眼も買ってみたら良いでしょう。」 と商売道具をポンッと貸してくださった。
手元に来ちゃったよ、プロ用カメラ。
そんなにプロカメラマンが自信満々に語る写りの違いを見せてもらおうじゃないの。

さっそくアタバッグで撮影開始だ。
って重いなこのカメラ、体重計で量ると1.6キロあるよ。 しかもピント合わせはマニュアルフォーカスだから自分の手で合わせないといけな い。
その上なんと!望遠なのに単焦点、つまりズームしない。 もちろんデジカメと違っていちいち現像しないといけない。
スッゲー不便じゃん、このカメラ。 こんなカメラ、どんなに写りがよくったって御免こうむりますだ。
デジカメだと軽いし小さいしピントはカメラが勝手にあわせてくれるし、それにズー ムで大きく写すのも小さく写すのも自由自在、撮ったその端からパソコンにアップもできる。 全然便利さが違う。
でも何にも撮らないうちに返すのも悪いからフィルム1本だけ撮っておこう。 撮ったらサッサとI師範にお返しだ。 でもさすがにシャッターの感触とか良いよね、バシャンッ!って重々しいけど心地い い音だ。
気分はもうプロカメラマン、「池中源太80キロ」って感じ。実際は「阿部憲三9 2.2キロ(10月23日現在)」だけど(トホホホホ・・・)。

そんな深刻な話はともかく、フィルムを現像してみてたまげた。
「ワッハッハッハッハ〜!デジカメとはまるっきり写りが違う。ココまで違うと誰で もわかる、シャープさが違う、奥行きが違う、何から何まで全部違う。」
知らなかったら良かったのかもしれないけれど、もう知ってしまったら商品写真は銀塩カメラでしか撮る気になれない。 もうオレ極真入会の時もそうだけどさ、良いモン見たらコロッと考え変わるのよ。
さっそくI師範に電話だ、こんな時にオレの気は早い。

「もしもし、I師範ですか。」
「あ、阿部さんどうでした?」
「全然写りが違います、もうF−3しか見えません。」
「(笑)そうでしょう、じゃあしばらく貸しますから使ってください。」
「ありがとうございます、お言葉に甘えます。」

そんなわけで手元に銀塩一眼レフカメラが来てしまった。
その後は本を読みまくって、とりあえずは普通に撮れるようになった。
銀塩一眼レフカメラはもう漂流貿易になくてはならない武器だ。
そうなるといつかは 返さないといけないF−3に替わるカメラ選びをしないといけない。
さっそく近所のカメラのキタムラでチェックだ。

お!あるある、銀塩一眼レフカメラだ。
って言うかずいぶんたくさんあるぞ。 なんでなのか店員さんに聞いてみよう。
「最近はですね、じつはオシャレな女性に(銀塩)一眼レフが人気なんですよ。 ですからとても軽くって外観もやわらかい感じになってます」
なるほど軽いしデザインもソフト、色もシャンパンゴールドで女性受け良さそう。 そう言えば友人の女の子も3人ほど銀塩一眼レフカメラを持ってたはずだ。 ホントに女性に人気があるんだ、銀塩一眼レフ。
お値段は・・・ニコンUのズームレンズセットで59800円。 う〜〜〜〜ん、安くはないが・・・昔の「一眼レフ」ってイメージから言えば高くも ないか・・。
思い切って買ってもいいけどせっかくF−3借りてるんだししばらく待とう。 特価で安くなるかもしれんしね。 狙いは「ニコンU(59800円)」と「キャノンkissV(60800円)」 だ。
さあて買うぞ〜〜〜!! と思ってたら事態は意外な方向へ。
それは前回の買い付け、バリ島での写真がきっかけでした。   

(以下次号)

(もと店長 ケンゾウ)

 

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