第2回 |
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第1回 日本人旅行情報センター「バリベチック」オーナー MASAさん 第2回 「MIRAI&KENTO」デザイナー マサミさん |
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漂流貿易自慢の【ミライ&ケント】のビーズバッグ、そのバッグをデザ インしているのが今回のゲストのマサミさん。 なんでも日本に住んでいた時には有名デザイナーズブランド(EAST BOY)でデザイ ナーをしていたらしい。
場所はデンパサールの彼女のファクトリー。 |
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主人がバリの人でしょ、主人と結婚したからこっちにきたんです。 | |
店主 阿部(以下 店)「マサミさんスッゴイ所にあるんだね、【ミライ&ケント】のファクトリー。」 マサミさん(以下 マ) 「うふふふっ、びっくりしたでしょ。」 店 「デンパサールの真ん中とは驚いたです。では今日はちょっとまじめにお話を聞かせてくださいね。」 マ「どんなことかしら、私で答えれるかしら?」 店 「大丈夫、大丈夫。 え〜〜っと、では最初に、バリに来たきっかけは何だったんですか?」 マ「主人がバリの人でしょ、主人と結婚したからこっちにきたんです。」 店 「あ、そう言えばご主人さんはバリの人でしたよね。なんか優しそうな方ですよ ね、でも何でご主人さんとであったの?」 マ「主人が日本の大学に来てた時に最初に会ったの、そのあと主人は大学院に行って 石油会社に勤めて。」 店 「ひょっとしてスゲーエリート?」 マ 「そんなことないですよ〜だってすぐに辞めましたもの。」 店 「えっ、もったいない。」 マ 「日本でバブルがはじけたでしょ、その時はアジアの方が調子良く見えたからジャカルタで仕事をはじめたのよ。」
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西武でオーダーメイドのお店をネ、開いたの。 | |
店 「マサミさんは?」 マ 「私はそれまで勤めていたデザイナーの仕事を辞めてね、それでジャカルタの西武百貨店でね。阿部さんジャカルタの西武ってご存知?」 店 「いやぁ知らないですね、ジャカルタ行った事ないですから」 マ 「ジャカルタの西武っていったらスゴイ高級な百貨店だったんですよ、ホントに。 それでその西武でオーダーメイドのお店をネ、開いたの。」 店 「簡単に言われるけどスゴイね」 マ 「4年やってたのよ、やめたけど。」 店「どうして?」 マ 「あのね、ジャカルタのお客様がね、たくさん付いてくださったんだけど。
・・・こんな事言っていいのかしら。 店 「(笑)勘違いセレブってわかる気がする。」 マ 「でね、そんなお客様って体格がしっかりしていらっしゃるって言うか・・・・」 店 「太めなわけね」 マ 「そうなのよ〜、で、そんなお客様にかぎって自分でファッション雑誌なんかを切り抜いてきてね」 店 「同じの作って、と。」 マ 「そうなのよ〜〜、でもモデルさんってみんな細いでしょ、同じなんてならないわよ〜。」 店 「怒られた?」 マ「それがね、なんとか似たような柄にして持っていくでしょ、そのとき『もう奥様、とってもお似合い』とか言ったらなんか満足して喜んだりしてね。」 店 「喜ばれてたんだ。」 マ 「でもなんかそんな仕事って自分として嫌でね。なんか嫌じゃな〜い、勘違いしてるセレブの人をおだててお金もらってるのって。」 店 「なるほど」 マ 「そうしてたらアジアの経済危機でルピアが暴落してね、西武から撤退したのよ。 それからしばらくは自宅でオーダーの仕事やってたんだけどやっぱり仕事自体は嫌でね。」 店 「はい」 マ 「ジャカルタの治安も悪いし、思い切って主人の実家のあるバリに移ったのよ。」 店「あ〜なるほど、それからバリね。」 マ 「そうなのよ、それにバリだと今までよりクリエイティブな物作りが出来そうに 思っててね、いつかはバリに行きたいとはずっと思ってたのよ。」
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親戚とかの儀式に呼ばれるでしょ。もう慣れないうちはたいへんで・・ |
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店 「実際来てみてどうだった?バリは。」 マ 「仕事の事とは関係ないんだけど、宗教、だからヒンドゥーが濃いのが最初に感じ たわ。」 店 「ほう、どんなことで?」 マ 「親戚とかの儀式に呼ばれるでしょ、時々なら良いんだけど1週間に何回もで しょ、バリって。もう慣れないうちはたいへんで・・」 店 「今は慣れた?」 マ 「もう全部は出れないから、最近は本当に出なくちゃ行けないのに絞ってるのよ。 もう悪い妻で(笑)。」 店 「(笑)それはバリでは悪い妻ですね。」 マ 「主人の理解があるから良かったわ(笑)」 店 「他には来てみて感じた事は?」 マ 「バリは安全ですよね、ジャカルタと比べて。」 店 「え?そうなんですか?バリも治安は良くないんじゃないですか?」 マ 「もう全然!ジャカルタよりマシ。 だってジャカルタは物騒で、1人じゃ外出できないんですよ。」 店 「それって特別ヤバイ地区に行ったりしなくても?」 マ 「街中の交差点とかでも車で信号待ちしてたら強盗にあうのよ。私の友達もやられ てね、それってバリじゃぁないでしょ?」 店 「そこまではないかな。」 マ 「でね、私がいたときに暴動があったじゃない。あの時なんて高速道路は止められ るし、いたるところで車がひっくり返されてるし。それであの時って中国人が狙われ たでしょ、日本人って中国人と間違われるから本当に危なかったのよ。その点バリは ジャカルタよりはずいぶん安全よね。」 店 「なるほど、そこまで危ないとバリに移住も考えますよね。」 マ 「そうなのよ〜それでバリにきたのよ。」
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だから今の【ミライ&ケント】の仕事はやりがいがあるわよ。 | |
店 「来てみて良かった所ってどこでした?」 マ 「住んでる人がね、ジャカルタよりも全然穏やかで良いですね。」 店 「確かにがっついてなくって穏やかな人も多いですよね。」 マ 「それとね、バリって色のセンスが良いのよ。 色あわせなんか案外シックでね、少し手を加えたら凄く良くなる物が多いの。 私はやっぱり物を作るのが好きでしょ、だからバリみたいなところだと本当に物作りのやりがいがあるのよ。」 店 「お〜〜!さすが【ミライ&ケント】のデザイナー!」 マ 「だから今の【ミライ&ケント】の仕事はやりがいがあるわよ。」
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日本人的には理解不能ですよね、役人が露骨に賄賂を請求するのっ て。 | |
店 「じゃぁバリで『ココだけは勘弁して』みたいな所はどこ?」 マ 「役人がね、ホントにダメね。」 店 「やっぱり。」 マ 「日本のお母さんから子供にビデオを送ってもらったのね、そしたら税関がいちゃ もんつけて出してくれないのよ。」 店 「あれって日本人的には理解不能ですよね、役人が露骨に賄賂を請求するのっ て。」 マ 「それで結局ビデオは入管できたんだけど、やっぱり40本のうち9本とられてた ものね。」 店 「そんなに面白いビデオだったの?」 マ 「NHK教育。見てもわかんないでしょ、バリの人には(笑)」 店 「(笑)わかんないわかんない、とりあえず盗っただけ」 マ 「ビザの切り替えでも毎回メンドクサイ事言ってくるしね。」 店 「たいへんだよね〜そのへんは。 他になんかエピソードはある?」 マ 「特にはないな〜〜、毎日小さいエピソードの連続とも言えるし(笑)」 店 「ボクもですよ、穏やかな日はバリにはない。」 マ 「あのね、ジャカルタに住んでた時に日本から布の素材を送ってもらったのよ。イ ンドネシアでは手に入らない布だったんですけどね。 そしたら郵便局からじきじきに電話がかかってきて、『あなたの荷物の関税は3,000ドルかかりますからお金を用意してください』って言うのよ。」 店 「スゴイ額だね、そりゃ。」 マ 「でしょ!それで素材的にはたいした素材じゃなかったし、法外な賄賂を払うのも嫌だったから『そんな関税なら払えませんから、布はそちらで処分してください』っ て言って電話切ったのよ。」 店 「ほう。」 マ 「そうしたらすぐの向こうから電話がかかってきて、『少しでも良いから関税くだ さい』ですって、それって税じゃないですよね。」 店 「まさにインドネシアらしい、心あたたまる話ですね。(笑)僕も毎回頭を悩ませてま す。」 マ 「もう慣れましたけどね。」
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バリにはすごいセンスの良いデザイナーさんがたくさんいるのよ。 | |
店 「これからマサミさんは何やりたいですか?」 マ 「クリエイティブな物作りをずっとやりたいわ。それと今よりアイテム数を増やし たいの。」 店 「オーダーメイドは?」 マ 「2度としない!(キッパリ)」 店 「店としてはどうですか?」 マ 「バリにはすごいセンスの良いデザイナーさんがたくさんいるのよ、そういった人の作品もたくさん扱ってバリのアンテナショップにしていきたいわ。」 店 「今もだいぶ色々な方の作品をそろえてますよね。」 マ 「あれをもっと増やしていきたいの。」 店 「日本には帰りたくないですか?」 マ 「あ〜〜全然帰りたくはないわね。」 店 「今が楽しいんだ?」 マ 「楽しいですね。」
店 「最後に何か一言。」 マ 「そうね〜、これからは特にインドネシアの素材を活かして新しい物を作っていく
つもりなの。 店「あ〜〜その感じって漂流貿易の目指してるところといっしょ。これからもマサミ さんのすてきなデザインを待ってますから、よろしくお願いしますね。」 マ 「(笑)こちらこそ!」 2001/06/14 第1回 【バリべチック】オーナー・MASAさん
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