Vol.56 2003/4/3

おまえサラサラサーファーガール おいらバリバリバリ雑貨店
(バリ島怪人列伝)


上の瞼と下の瞼を、こうしっかり合わすと思い出すのがバリで出会った友人たち。
あ〜〜どうしているのか、変人たちよ。
今回はその変人たちの中でも選りすぐりの2人をセレクトしてみよう。


『豪華客船とともに』ドクターケイコ

 そもそも日本を離れて、赤道以南のバリ島でスパイシーな人生を歩もうなんて人は多かれ少なかれ普通じゃないと思う。
そんな中でもクタで毎日のサーフィン三昧を決め込むドクターケイコはオレにとってのナンバーワンだろう。
彼女の場合、話してて話し方がおかしいんじゃない。人生そのもののシュチュエーションが変だ。
彼女と会うのは概ねクタの『ナガサリ』ってバーっだった。
すんごいかわいい子供をいっつも連れてきててさ、猛烈にうるさい店内で子供ちゃんはグースカ寝ていたのを思い出す。
そう、彼女は母親一人、子一人でバリで生活してるわけよ。
そんな彼女の合言葉は「三度の飯よりまずセックス!!」。まぁこんな生き様の女性は少なくないわけで、そんな部分が怪人ではない。
彼女はバリ島でさして収入を気にするわけではなく、日々サーフィン道に精進しておる。
では何処から収入があるのか?
東京で歯科医の開業医をしているそうです。
月々売上を送金してもらってるそうです。
さらにその上、彼女数ヶ月バリから消えることがあるのですが、その時は客船に乗って(シンガポール−サンフランシスコ等)歯科医をやってるそうです。子連れで。
そんな彼女は毎晩クタで吼えてます。「ケンゾー飲んでる〜!?」「三度の飯よりまずセックス!!」


『マルチェロマストロヤンニ?ボ〜ノボ〜ノ〜〜!」 チャバ

ウブドに滞在するときに宿泊するのはいつもJLデウィシタのマシバンガロー。
値段も部屋も普通なんだけど、アクセスのよさと何よりも経営者のスーさんの爆発的にほがらかな性格が魅力的だから毎回泊まってます。
さて、そのマシバンガローに長期(数年来)滞在しているのがイタリア人の怪人チャバ。
バリ人でも最近は靴やサンダルを履いてるのに、大通りでも平気で裸足でペタペタ歩くチャバ!
もともとイタリアで雑誌のカメラマンを生業としていたチャバは極端なイタリア嫌い。イタリア人なのに。
曰く「イタリア人は自分を大きく、美しく着飾ることばかり。パーティーを開いては無駄な時間を過ごす。楽しそうにしてるけど中身は空っぽ。」と故郷に対しては強烈に手厳しい。
「フェラーリ?ブー!!(ブーイングのポーズ)グッチ?ブー!!あんなものは形だけ。」とブランド品に興味ゼロ。彼女の興味の対象はバリでの自由な人間らしい生き様。
金曜の夜は「エグザイルス」(ディスコ)で全身をくねらして踊り狂う怪人チャバ!かっこいいかどうかは別にして陶酔の境地で完全トリップ状態のチャバはたぶん人生に悔いは無いのだろう。
そんなイタリア嫌いのイタリア人チャバに「イタリアで良い思い出はないのか?」と聞いてみたら、「撮影で男優を何人か撮ったけど、さすがにかっこよかったわね。」とのこと。誰がナンバーワン?
「マルチェロマストロヤンニ〜〜、ボ〜〜〜ノ!ボ〜〜〜ノ〜〜!!」と熱狂!
アランドロンは?
「ブ〜〜〜〜〜〜ッ!ブ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」(ブーイングのポーズ)
あらら、あんましお気に入りじゃなかったわけね。
故郷に母親と、そして子供を置き去りにしてエグザイルスで踊り狂うチャバ。
最近めっきり体調を壊して、前回会ったときに日本から持ち込んだ「酒」を一緒に飲もうと思ったら」、「死ぬかもしれないから飲ましちゃダメよ」とスーさんに言われてしまった。
バリで無頼漢を気どるインドネシア人は多いけど、ほんまもんの無頼漢はチャバだろ。
はて、怪人チャバは今ごろどうしているのやら・・・・・

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